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SEOの競合分析をする際のポイント

データ分析イメージ

SEOの分析といっても、ついつい自分達のWebサイトしか確認していなかったりしていませんか?

それは自分のWebサイトはGoogleのSearch ConsoleやAnalyticsを使えば確認できるので分析しやすいからなのかもしれません。または、自分のサイト分析で手がいっぱいなのかもしれません。

しかし、検索エンジン(ここでは、ほぼGoogleを指します)の評価というものは、世界中のWebサイトページを対象に、検索クエリに対する相対評価でランキングされています。ということは、競合となるWebサイトの分析をすることで、自分のWebサイトが他のWebサイトを先んじることもできるわけです。ですから競合サイトのSEO分析は大事なのです。

しかし、「SEOの競合分析って何から手を付けて良いの?」と思う人もいるかもしれません。そこで今回、SEO分析をする上で「予め漏れなく分析するにはどうすれば良いの?」という疑問すら解決すべく、まずは競合サイトの抽出方法からその全体像を掴むための調査方法まで大局的にご説明します。

この記事をご覧いただき、実践できるようになったら、もっと細かいところまで分析できるノウハウが身に付くはずですので、その後に自分のサイトと競合サイトを細かく分析・比較するようにしていきましょう。

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検索結果とにらめっこして競合サイトを見つけよう

まずは上位表示したいと考えているキーワードでGoogle検索してみましょう。そして広告枠以外での検索結果の1番目から10番目(いわゆる検索結果1ページ目)と11番目から20番目(2ページ目)までをよく見てみましょう。

SERPs

検索上位にはどういうサイトが上がっているか

検索した結果画面の上位にはどんなサイトの種類が上がっていますか?
メディア? ニュースサイト? Wikipedia? 個人ブログ? どこかの企業の提供サービス? 比較サイト?
色々な切り口、色々な種類のサイトが上がってきていませんか?
Googleは検索結果を情報の選択肢画面として捉えていると考えられます。従って、検索結果からユーザーが様々な情報を選びやすいように多様性を持たせており、この働きをQDD(Query Deserves Diversity:検索結果の多様化)と呼んでいます。自分が上位表示をイメージするキーワードに対して、どんなサイトが上位表示しているか分析・プロファイリングすることで、なんとなく「誰が言っている(どのような運営元形態のサイトページ)内容が(Googleまたはユーザーから)好まれる傾向にあるか」察しがつくようになるでしょう。そして、そのサイトが、いわゆるSEO上の競合サイトということになりますよね。

検索上位にはどういう切り口のサイトページ内容になっているか

SEO上の競合サイトはもう分かりましたね?
では次に、その競合サイトのページを分析します。競合サイトと見なしたそれぞれのサイトがそれぞれどのページで上位表示されているかを分析しましょう。それらを徹底して見ることで、どんな切り口からのコンテンツが(Googleまたはユーザーから)評価されているかが分かると思います。

ここでワンポイントアドバイス!

SEOというと、皆さんはどうしてもSearch Engine Optimizationという言葉から、「検索エンジン最適化=検索エンジン攻略法」と捉えがちです。しかしその考え方は少し違います。当たり前ですが、Google検索をして表示される検索結果サイトページには、Googleが持っている情報が提供されているわけではありません(Googleもブログ等の情報発信メディアは保有していますので、一部の例外は除きます)。つまり、Google検索は“他サイトページを紹介するプラットホームに過ぎない”のです。言い換えれば、“他のそのサイトページがユーザーにとってどれほどの価値や評価があるか、ということを頑張ってランク付けしようとしている”のがGoogle検索です。ですので、一般的なサイトページのオーナーが評価してもらうべき相手はあくまでもユーザーなのです。検索ユーザーなのです。従って、SEOを技術的な側面として捉えるのであれば、「自分のサイトページは検索ユーザーが評価したり好んだりするサイトページである、ということをGoogleにアピールするだけ」なのです。サイトページを組み立てる上で、気持ちを捉えるべきはユーザーなのです。ちなみにアプローチを変える概念として、SEOをSearch Engine Optimization(検索エンジン最適化)と捉えずSearch Experience Optimization(検索体験最適化)と捉えてみてはいかがでしょうか?
どうすれば検索ユーザーのハートに届くのか、考えやすくなりますよ。

検索上位のサイトページの内容(内容のことを全て「コンテンツ」と呼びます)を真似する必要はありません。むしろ真似しない方が良いです。検索上位と同じようなコンテンツにしたところで…わざわざ検索結果を変えることなく、従来通り検索上位のサイトページをそのまま上位にしておけば良いだけですよね?
GoogleのQDDという働きを考えれば、検索上位のサイトページのコンテンツを遥かに網羅する、または別の切り口で検索ユーザーに有益になるようなコンテンツを考え抜くことで、いわゆるナンバーワンコンテンツかオンリーワンコンテンツを目指すようにしてみましょう。

検索心理を仮説付ける

サイトを作ると言うことは、そこに必ず「見てくれる人」が存在するわけで、もちろんその「見てくれる人」を想定しているからサイトを作るわけですよね。「ユーザー無くしてコンテンツ無し」というわけです。従って、とにかく検索ユーザーのことを考えることが重要です。「この言葉で検索する人は何を求めていて、何に悩んでいるのか」ということについて、分析や調査を重ね、検索心理を仮説付けるようにしましょう。
簡単に言いましたが、実はSEO分析において最も大事なのはココなのです!

検索心理を検索エンジンがどう捉えているかを仮説付ける

検索するユーザーの心理を仮説付けることができて、それでもまだ余裕があったら、競合の上位サイトページを分析することで「Googleは検索ユーザーの心理をどう解釈しているか」を仮説付けてみてください。そうすると、以下の2つの仮説ができ上がります。

  • 自分で解釈した検索ユーザー心理の仮説
  • (自分で解釈した)Googleが解釈したであろう検索ユーザー心理の仮説

この2つをしっかりと仮説付けられた時、検索ユーザーの心理に対する赴きはより深いものとなるでしょう。では、仮にこの2つの仮説にズレが生じた時は自分のサイトページを作成するにあたってどちら寄りに考えるべきか…。もうお分かりですよね?
自分で解釈した検索ユーザー心理の仮説を優先させましょう。Googleは、今あるサイトページ群の中から現時点で相対的に評価することで検索心理を解釈しているだけですので、サイトページオーナーが見るべきはやはりユーザーなのです。意図した検索心理の仮説を信じているならば、Googleからの評価がその仮説に追い付いてくれることを待ちましょう。

競合サイトを分析しよう

前段が長くなりましたが、いよいよ競合サイトを分析するステップに入ります。前段で割り出した検索上位サイトの種別をプロファイリングした結果、自分の持つサイトと同じ特性を持つサイトを(SEO上の)競合サイトとして分析してみましょう。

XMLサイトマップで規模感をカウントする

一般的にSEOに注力しているサイトであれば、XML形式のサイトマップも実装しているはずです。(XML形式の)サイトマップの実装はGoogleも推奨しているからです。しかし、形式はXMLである必要はありません。サイトマップとして登録できる形式は、XMLだけでなく、RSS、mRSS、Atom 1.0、Text、Google サイト等の形式があります。とは言いましても実際には、大半のサイトがXML形式で登録していますので、ここではXMLのパターンのみでご説明します。

ここでワンポイントアドバイス!

サイトマップに関しては以下のGoogleからの公式情報を参考にしておきましょう。

では、そのXMLサイトマップを第3者がどう発見するか。サイトマップのファイル名やファイル形式は自由です。ですから、実際にそのサイトがXMLサイトマップを用意していても、それを部外者が確認する術がありません。そこで、以下の2つの方法を試してみましょう。

robots.txtから知る

一般的にSEOに注力しているサイトである場合、robots.txtファイルを公開しています。これは検索エンジンに向けたメッセージです。このrobots.txtに関しては、基本的にどのサイトであってもファイル名は同じですので、調査したい競合サイトのドメインの後ろに/robots.txtと付けてアドレス入力してみましょう。
例)https://www.example.com/robots.txt
そうすると、以下のような表記がされているケースがあります。
Sitemap:https://www.example.com/sitemap.xml
これは検索エンジンに対して、「サイトマップはここにあるから見てみてね」というシグナルの表記なのですが、これを見ればXMLサイトマップが https://www.example.com/sitemap.xml であるということが分かりますよね。

ドメインの後ろに/sitemap.xmlと入力してみる

サイトマップを当てずっぽうに入力する方法です。これは正確な方法ではありませんが、ドメインの最後に/sitemap.xmlと付けてアドレス入力することで、該当するファイル名と形式が一致すれば出現する可能性があります。これは最も一般的なファイルとしてsitemap.xmlが多用されているから成立する方法でして、サイトによっては「main-sitemap.xml」とか「sitemap2.xml」とか「sitemap-index.txt」とか、色々な命名や形式がありますので、必ず確認できる手法とは限りません。

サイトマップイメージ

さて、XMLサイトマップに関しては、Googleのガイドラインとして、比較的規模の大きいサイトページにおいて使用を推奨しており、その理由が「新しいページや更新されたばかりのページの一部がGooglebotのクロール対象から漏れることがある」からとされています。ですので、正確にGoogleに読み込んでもらいたければ、原則全てのページURLをXMLサイトマップで記述する必要があるということです。XMLサイトマップを確認できるということは、視点を変えれば「XMLサイトマップの記載URLを数えれば調査したい競合サイトの規模感を推察することが出来る」ということです。つまり、XMLサイトマップに表示されているページURL数をカウントすることで何ページで構成されているサイトかが分かります。

競合サイトのページ数の規模感が分かれば、自分達のサイトも相応の規模感(手間暇のかけ具合)を覚悟する必要があるでしょう。正しく有用なコンテンツページを作る前提で、情報は多ければ多いほど、ユーザーにとっては収集範囲が拡大するサイトであることになります。そしてそれはGoogleの高評価対象にも繋がりますので、ページ数が分かるというのは参考値として充分に有益になるでしょう。

site:を使ってサイトページを分析する

XMLサイトマップのページURL数をカウントすることは最も正確に把握できる方法かもしれませんが、それ以外にも規模感を何となく理解できる方法があります。それがsite:検索の機能です。Googleのコマンド検索を活かして「site:競合サイトのドメイン」(例「site:example.com」)で¥と検索してみましょう。そうすると競合サイトだけのサイトページ一覧が検索結果に表示されます。そして、それらのURLとタイトルを確認しながら、どんなコンテンツページがあるかを分析できます。以下の点を確認することができるでしょう。

  • 第2階層となるディレクトリ(例:example.com/○○/)止まりのものにはどんなコンテンツページがあるか分かる
  • ディレクトリ単位でsite:検索をかけることで、各ディレクトリ内のページ数が分かるため、何系の情報が多いかが分かる
  • 各ディレクトリ以下でsite:検索をかけ、検索結果のページ数をカウントし、ディレクトリ毎に足していくことでサイト規模感が分かる

まず、第2階層となるディレクトリにあるページの内容を知ることで、サイト構造上どのような情報設計をしているのか推察できます。企業サイト等でよくあるのは、/about等にあるようなサイト情報コンテンツ、/corp等にあるような企業情報コンテンツ、/access等にあるような店舗所在地、/planや/service等にあるようなサービス紹介ページ、また/blogや/column等にあるようなコラム系コンテンツです。

このように第2階層となるディレクトリを把握しておくことで、その先の情報がどのように広がっていくか、構造を想像しやすくなります。とはいっても、これには鍛錬や反復分析が必要かもしれません。いくつものサイトページを分析することで段々勘が良くなっていきますので、練習してみてください。

そして、何系の情報が多いか、というのも把握しておくと良いでしょう。これは第2階層となるディレクトリ以下のURLを確認していくことで、「このカテゴリに関する情報が多い」等に気付けると思います。さらにコマンド検索を活かし、第2階層止まりで検索をすると、それ以下にどのような内容のページが広がっているかの目安になります(例「site:example.com/column/」等)。このsite:検索で表示されるサイトページの数は正確ではなく、Googleも「この結果数字を判断材料にしてはいけない」旨を公表しています。しかし、コンテンツとしてどんなものがあるか、という傾向を掴むにはちょうど良い方法ですので、正確ではないことを理解しつつ確認してみるようにしましょう。ちなみに、各ディレクトリ以下で数えたページ数を足せば…それはサイト規模になりますよね。一応自分のサイトと合わせて確認しておくことで、相対規模として把握しておくと便利です。

サイトのページ導線を見てみる

前項でお伝えした内容によって、サイトの構造上どういった展開になっているかがある程度把握できたと思います。そこで、次に視覚上どういった展開になっているかをチェックしてみましょう。これは競合のサイトトップページからクリックして進んで行く方法です。

まず、サイト全体を横串にリンク設置されている箇所―いわゆるグローバルナビゲーション(以下:Gナビ)を分析してみます。Gナビはそのサイトにとって基点となるページ群が設置されていますので、ユーザーに対しての導線上、どんな情報展開をさせたいのかが推察できます。これが、前項でご説明した第2階層ディレクトリと同じような内容であれば、非常に分かりやすく綺麗なサイトと言えるでしょう。サイト構造上もページ導線上も同じように展開されているわけですから。しかし、サイトによっては不一致しているケースの方が多いです。つまりサイト構造上の管理設計とユーザーへの情報優先度が異なっているケースです。その場合は、なぜそういう展開をしているのかを推察していくと、運用の実態が透けて見えるようになりますが…かなりマニアックな分析手法ですので、これはまたの機会に。

サイトのページ導線を見ていくことで、いわゆる情報設計(コンテンツの展開方法)が分かりますので、ディレクトリ等の骨組み構造だけではなく、どういう見せ方や言葉でページを紡いでいるのか、というコンテンツの肉付け構造をよく研究しましょう。

「クエリ site:」でクエリとコンテンツにある4つの「S」を分析する

競合サイトのドメインをsite:検索する方法はもうご理解いただけたかと思います。そこで今度はその応用編です。site:の前に分析したいクエリを入れ込む方法をご説明します。コンテンツ分析したいクエリ(キーワード)を入れ込んで、スペースの後にsite:検索する方法です(例「○○○ site:example.com」)。この検索を行うことで、検索結果には「該当ドメイン内で、該当クエリにおいて、ほぼ親和性が高いページURL順」に表示されます。つまり、該当クエリに関するコンテンツのあるページが優先されて表示されるわけです。従いまして、その上位のコンテンツページを読んでいくことで、結果的にどんなコンテンツが存在しているか確認できます。

さて、ここからが大事です。そのコンテンツには以下のいずれかの概念や要素が含まれているはずですので、それがどんな内容か分析しましょう。
以下5つの「S」に則して検証してみてください。

  • コンテンツを見る限り、そのクエリは、そもそも何を求めている(Seeking)と解釈できるか
  • そのコンテンツには、共感要素(Sympathy)として、クエリに対する作者の同情や代弁はあるか
  • そのコンテンツには、苦悩要素(Struggle)として、作者があがき求めていることを綴っているか
  • そのコンテンツには、解決要素(Solution)として、作者からの提案や提示はあるか
  • そのコンテンツには、提供要素(Service)として、作者からのビジネスやサービス利用促進はあるか

いかがですか?
サイト運用者側としてクエリを分析した時、「こうやって検索してきている人には、こう」と最初からコンテンツを決めつけていませんか?

一般的に“答えをすぐに提供したがる”サイト運用者は多いものです。ユーザーの検索心理を深く読み解こうとせず、すぐに自社サービスの提供を直結して考えがちなのです。しかし、検索ユーザーは何でもかんでも解決したがっているでしょうか? 検索ユーザーにとっては、まず検索している自分の心理を後押ししてくれたり代弁してくれているサイトページが気になったりするものです。実際皆様も検索する際はそうなると思います。検索している自分の疑問を代弁してくれているものがあったら、真っ先にまずそこを見るのではないでしょうか。
ですので、最初に検索心理を読み解いて、Seekingを仮説付け、そしてそのSeekingに共感(Sympathy)してくれるコンテンツがあるか確認してみましょう。もし、競合サイトに共感(Sympathy)が無かったら…自分のサイトページに共感(Sympathy)コンテンツを入れ込むチャンスです。

ただし、クエリによってはブログやFAQ等のUGM(Use Generated Media)が検索上位に登場することもあります。その際は、コンテンツが苦悩(Struggle)そのものを表しているケースもあります。例えば、「今日○○やっちゃいました。どうしても○○できない…うーん引き続き考えていきたいと思います」のような…課題をそのままコンテンツ化しているサイトページもあったりします。これも共感(Sympathy)に近いのですが、答えの無い検索心理の場合はこの要素が当てはまりやすいです。

次に解決(Solution)コンテンツ。つまり、一般的な解決策の提示です。何か不安や不満があった時、すぐに商品サービスを売り込むコンテンツを用意する、のではなく、順序立てて解決策を提示してくれているコンテンツです。
例えば自分が不安に抱えていたり何かを欲求したりしている時に、とにかく商品を売り込まれたらどう思いますか?
売り込まれた方としては「いきなりこれで良いのかなぁ」と思って、むしろ他のサイトページを見る旅(つまり離脱して他のサイトも見てみる)に出てしまうのではないでしょうか。ひたすら商品を売り込まれたら、誰だって他の商品と比較検討したくなるものです。実は、商品をいきなり売り込むよりも一般的に解決する基本的手法からじっくり紐解いて案内していった方が、ユーザーの安心感とサービス利用には結び付きやすいのです。しかも、根本から偏りなく解決策を案内することで解決策の網羅性にも繋がりますので、検索ユーザー満足度も高くなります。意外とこの解決(Solution)要素を丁寧に順序立てて紹介するサイトページは少ないので、ここをしっかり組み立ててコンテンツを作れば検索上位を狙えるチャンスとなるでしょう。

そして最後に提供(Service)コンテンツです。いかに優れたサービスを提供しているかを分析することです。これはもはやコンテンツの話に留まらず、商品開発や事業改善の話になります。どこよりも優れたサービスがコンテンツ化されていれば当然ユーザーからの評価は高まります。“優れたサービス”を分かりやすく例えるなら、局所的なエリアで展開しているよりも全国展開しているほうが良いでしょうし、サービス内容や商品点数は多ければ多いほど良いに決まっています。「新宿 居酒屋」で検索した時、100店舗を紹介しているサイトよりも、1,000店舗紹介しているサイトの方が、確率的に検索ユーザーにとって満足度は高いですよね。また、アフターケアが無いサービスよりも、いつまでも保証してくれたり、不具合を対応してくれたりするサービスの方が顧客満足度は高いですよね。このようなサービスの強みをコンテンツ化しているサイトページは、それだけで評価対象になるわけです。

とは言っても、繰り返しになりますがこれはサイトコンテンツにおける内容というよりはサービス内容の話です。強いてコンテンツとして捉えるなら、サービス内容をしっかりと分かりやすく“コンテンツとして掲載しきること”が大事ですね。以下の例のように、競合サイトのコンテンツページにどの要素があるのかを確認することで、どの要素を強化・追加すれば優れたコンテンツになり得るのかを分析してみましょう。要素のマップや図を自分で作成して見ると分析も面白くなりますよ。

ポジショニングマップ

外部からのサイテーション、レピュテーション、リンクを分析する

他にもsite:検索を応用して分かることがあります。それはサイテーション(言及、噂)やレピュテーション(評価、評判)、リンク(外部サイトからのリンク)の傾向値を確認する方法です。ダブルクォーテーション(“ “)で括って検索すると、その検索クエリと完全一致した検索結果が表示されます。この特性を利用して分析したいサイトのドメインを該当ドメイン以外で探す、という手法です。例として挙げると「”example.com” –site:example.com」という検索です。これはsite:の前にマイナス(-)を付けることで、「site:で指定したドメイン以外」となります。つまり、この検索では「example.com以外でexample.comが表示されているケース」で検索していることになります。
その検索結果画面に出現するのは、実際にexample.comを表記・掲載しているサイトページ群です。従って、そのサイトページを読み進めていけば該当ドメインについて触れている内容や評判、クチコミ等が確認できるというわけですね。

検索結果画面に出現するサイトページの中には、海外のドメイン情報サイトや無駄なミラーサイト、検索結果画面のスクレイピング(コピペ)サイト等もあります。いわゆるゴミページですね。こういうゴミページを無視して除けば実体的なサイトページを確認できますので、自分のサイトを客観視した分析ができるようになります。要は“ドメインのエゴサーチ”みたいなものですね。
この分析を行うことで、「競合サイトのどんなコンテンツページが世間に好まれている傾向にあるか」が判明しますので、競合のコンテンツだけでなく、今後の自身のサイトコンテンツ作成のヒントになってくるのではないでしょうか。

各種ツールを使って競合サイトの状況を知る

他にもSEOに向けてどれくらいコーディングを意識しているのかについて、外部から確認できるツールがいくつかございます。ここではGoogleが公式にリリースしているツールを中心にご案内しますので、是非ご活用ください。

  • PageSpeed Insights
    URLを入力すると表示速度が分かります。ページ単位で表示速度が分かりますので、自分のサイトページと比較して競合はどれくらい表示速度に注視しているか探ってみましょう。

  • 構造化データテストツール
    直接的に検索ランキングに影響する要素ではないものの、構造化データをマークアップしておくと(必ずではないにせよ)Googleがそのサイトページの表示をリッチスニペット化してくれるようになったり、リッチリザルト化してくれるようになったりします。検索結果のリッチ化によって検索結果からのクリック率は向上します。「検索結果からいかにクリックしてもらうか」までをSEOとして捉えているサイトであれば、しっかりと構造化データをマークアップしているはずです。その構造化データのマークアップがしっかりされているかを確認するツールが構造化データテストツールです。
    また、構造化データをマークアップしておけば、Googleクローラーに発見されやすいというメリットも考えられます。

  • AMPテストツール
    モバイル(スマートフォン)ユーザーは表示速度が遅かったり、いつまでも表示されなかったりするとページから離脱する傾向が強く、最もユーザーストレスを与えるのは表示速度の遅延であることが分かっています。そこで、表示速度の向上を考えた末、「予めGoogleの検索結果内にキャッシュとして読み込ませることで、検索結果画面からタップしてもそのままGoogleのドメイン内でサイトページを表示させる」というモバイル(スマートフォン)専用のページ設計をすることができます。これにより表示速度が爆上がりします。それがAMP(Accelerated Mobile Pages)です。
    しかし、このAMP実装のためにはサイト運用者側がAMP専用ページを作らなければならず、Googleが推奨する規定に合わせた作成が必要です。そのAMPがしっかり成されているかを確認するツールがAMPテストツールです。
    競合サイトがAMP対象ページを作成しているかどうかを探るにはこのツールを使用すれば分かりますので(もちろんモバイルで検索すれば分かるのですが)、同じようにAMP実装するか、対抗する程の表示速度を磨く必要があります。

  • モバイルフレンドリーテストツール
    Googleは検索ユーザーのデバイスの大半がモバイルになったことから、少しずつランキング対象優先ファイルをモバイルページにしていきました。そして、2020年9月、全サイトページのランキング優先ファイルをモバイルページにしました。そのモバイルファイルを優先して検索結果に表示していくことをMFI(Mobile First Index)と呼びます。このMFIに先駆けて、ユーザーフレンドリーなモバイルページになっているかどうかを確認するツールがモバイルフレンドリーテストツールです。モバイルフレンドリーでなければ、ユーザーの満足度も著しく下落しますので、競合サイトページだけでなく自分のサイトページもチェックしてみましょう。
    ちなみに自分のサイトページをチェックするのであれば、既に公開しているサイトページの場合Google Search Consoleで大半を確認(全部ではない)できますので、これから公開するページを事前確認するために、このツールを活用すると良いでしょう。

競合サイトでチェックしたことを自分のサイトでもチェックして比較してみよう

以上が競合サイトを分析する上での大枠の手法です。おさらいですが、この記事によって以下の内容を調査できる知識が付いたと思います。

  • クエリの分析競合対象サイトの選出
  • 競合サイトの規模感把握
  • 競合サイトの骨組み構造
  • 競合サイトの肉付け構造、コンテンツ要素
  • 外部からの言及や評判、リンク

そして、今度は同じ流れで自分のサイトを当てはめて分析してみましょう。客観的且つ露骨に競合サイト比較ができると思います。同じ軸で競合と自分のサイトを比較すれば、不足分が明確に浮き彫り化されますよね。短所を無くすサイトにすれば競合サイトに追いつき…そして長所を磨くことで競合サイトを追い越すようになるでしょう。是非競合サイトを分析して、SEOのPDCAにトライしてみてください!

ちなみに、ここではSEOにおけるテクニカルな手法(コーディング方法や各種タグの設置方法、Googleへの各種シグナル送信方法)のご説明は省きました。なぜならば、SEOテクニックはGoogleから正当な評価を受けるためのテクニックに過ぎないからです。SEOテクニックは、Googleのクローリング(Googleクローラーロボットの回遊と回遊性)とインデクシング(Google検索におけるページコンテンツの検知と検知性)を最適化することが出来ますが、それは飽くまでも評価されやすくするための仕組み作り。大切なのは高評価を受けるためのコンテンツです。ですので、このコンテンツを作る上での設計方法を概念レベルでご説明することに注視した記事にさせていただきました。

どうか、これをご覧くださった方々が、短期的な取り繕いやテクニックに先走らず、腰を据えてコンテンツに向き合ってくださることを願っております。

「これからコンテンツに力を入れてたいけれど、何から始めたらいいかわからない」という方は、こちらの記事でコンテンツの種類や実施のタイミング、実践の手順などをご紹介していますので参考にしてください。
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