OMOは、顧客体験の向上を目的として、オンラインとオフラインが融合したマーケティング手法です。コロナ禍で外出を自粛している間、ECサイトで買い物をする人が増えました。その一方で実店舗は、体験を提供する場所として、その価値があらためて見直されてきています。ここでは、注目が高まっているOMOの概要とOMOと似た意味で使われるO2Oやオムニチャネルとの違いについて解説します。
OMOとは
OMOは、「Online Merges with Offline」の略で、直訳すると「オンラインとオフラインの融合」の意味です。ECサイト(オンライン)と実店舗(オフライン)のサービスを隔てることなく、同一のものとして考え、商品やサービスに接触する機会を増やして顧客体験を最大化する狙いがあります。OMOの具体的な例としては、スマートフォンから注文し、店舗で作った料理を自宅に届けてもらうフードデリバリーサービスなどです。
他には、OMOストアと呼ばれる、販売員が不在でスマホで決済を行うサービスもあります。店舗に陳列されている商品に購入したいものがあれば、スマホで商品のQRコードを読みとって商品情報を確認し、購入はキャッシュレス決済。商品の受け取り方法は店頭かオンラインのどちらかを選べます。スマートフォンやキャッシュレス決済の普及により行われるようになったマーケティング手法です。
■ OMO概念図
O2O
O2Oは、「Online to Offline」の略で、インターネットでユーザーに商品やサービスの情報を知らせることで実店舗への来店につなげるマーケティング手法です。具体例としては、アプリやWebサイトで店舗で使えるクーポンを発行したり、SNSで新入荷商品の情報を発信したり、位置情報を利用して近くの店舗情報を案内したりなどがあります。
OMOとの違いとしては、O2Oは、オフラインで来店が少なくなった顧客を取り戻すために行なわれる手法で、オンラインとオフラインの融合のために行なわれているOMOとは、目的が違います。
■ O2O概念図
オムニチャネル
オムニチャネルは、「Omni-Channel Retailing」の略で、実店舗、ECサイト、SNS、電話、メールなど顧客と接触できる、あらゆる(オムニ)媒体・経路(チャネル)を統合し、どのチャネルからでも商品やサービスを購入できる販売戦略です。具体例としては、ECサイトで注文をして、実店舗で商品を確認してから購入ができたり、実店舗に目当ての商品が無かった場合に、ECサイトに注文を転送して自宅で商品をうけとれたりなど、ユーザーはどの販売経路のからもスムーズに購入できることを目指しています。OMOは、顧客が商品を購入する入り口の体験をいかに便利にするかフロントエンドの部分を良く考えらえた手法で、オムニチャネルは、顧客が欲しい商品を企業側がいかにスムーズに提供できるかバックエンドの部分を考えらえた手法という違いがあります。
■ オムニチャネル概念図
まとめ
OMOは中国で利用が進んでいるマーケティング手法ですが、日本でもコロナ禍で人との接触を避ける生活が当たり前になったことや、スマートフォンやキャッシュレス決済が広まったことから活用する企業や店舗が増えてきました。アフターコロナにおいても、オフラインで来店が少なくなった顧客を取り戻すきっかけとして、顧客との接点を増やす施策の1つとして、今後の展開が楽しみなマーケティング手法です。
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