MA(マーケティングオートメーションツール)ツールは、営業活動で手間がかかっていた業務を自動化し、効率的に顧客を獲得するためのツールです。営業のデジタル化やリモートワークの増加に伴い、見込み顧客の情報を管理し可視化できるMAツールが注目を集めています。ここでは、近年人気のMAツールをご紹介します。
人気のMAツールとは
多くの企業が導入をすすめるMAツールですが、実際にはどのようなMAツールが選ばれているのでしょうか。2021年5月~2022年4月までのWebサービス利用実態のデータ※から、利用が多かったMAツールは次の10種類です。
1.Maketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)
Pardot(パードット)は、Salesforce社が提供するMAツールです。2022年5月10日に名称がPardot(パードット)からMaketing Cloud Account Engagementに変更になりました。Account Engagementの強みは、顧客関係管理システム「Salesforce」と連携して、見込み客がどのような行動をとったのかを把握し、適切なタイミングでアプローチができることです。例えば、資料請求フォームまで閲覧したけれど申込は行わなかった見込み客に対してリマインドをしたり、見込み客がサイト内で閲覧したページを分析して、興味がありそうなサービス案内を送ったりすることが自動化できます。
初期費用:0円
月額料金:150,000円~
主な機能:Webトラッキング、ランディングページ作成、入力フォームの作成、メール配信など
提供会社:株式会社セールスフォース・ドットコム
2.BowNow
BowNow(バウナウ)は、Webサイトをユーザーの企業名や種別・従業員数などを分析できるツールです。ツールには「ABMテンプレート」と呼ばれる、見込み度が高い顧客を自動で振り分ける機能がついており、テンプレートに沿って見込み客にアプローチすることで、効率的にマーケティング施策が行えます。料金は、最低限の機能だけ利用する場合は1000件のリード登録まで無料です。1000件以上は、5,500円~33,000円まで、追加する機能によってプランが選べます。
初期費用:0円
月額料金:10,000円~ (有料プラン)
主な機能:企業名の自動表示、個別ログの管理、ABMテンプレート、入力フォームの作成、メール配信など
提供会社:スターティアホールディングス株式会社
4.HubSpot
HubSpot(ハブスポット)は、マーケティング、営業、カスタマーサービスなど、インバウンドマーケティング活動に関わる各チームに役立つ機能が備わった、統合型のマーケティングプラットフォームです。既存顧客の管理や追客機能、ブログやWebページが作成できるCMS機能が備わっています。料金は、「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」「CRM Hub」の4つの種類があり、「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」は有料で、どれも5,400円から利用ができますが、「CRM Hub」は無料で利用できます。
初期費用: 0円
月額料金: 6,000円~(有料プラン)
主な機能:メール配信、フォーム作成、ダッシュボード、コンタクトデータベース、広告管理、リードフローの作成、アナリティクス、タスク管理&カレンダーなど
提供会社:HubSpot, Inc.
3.Marketo Engage
Marketo Engage(マルケト・エンゲージ)は、Webサイトを訪問したユーザーの行動データを収集し、ひとりひとりに合ったアプローチをすることで顧客との長期的な関係を築ける統合型プラットフォームです。例えば、ユーザーの年齢や性別、嗜好に合わせた広告を配信したり、メールや、モバイルプッシュ通知を配信したりするのを自動化できます。Marketo Engageの料金プランは非公開となっているため、詳細を知るためには問い合わせが必要となります。
初期費用:要問合せ
月額料金:要問合せ
主な機能:Webサイトのトラッキング、メール作成・配信、入力フォームやランディングページの作成、レポート・分析、セグメント、スコアリング、モバイルプッシュ通知、アラートなど
提供会社:Adobe Inc.
5.List Finder
List Finder(リストファインダー)は、社内の顧客データを一元管理し、メールが配信できるツールです。ツールに機能がたくさんあっても使いこなせないと運用費が無駄になってしまいます。リストファインダーは、機能がシンプルな分3万円台と低価格のため、新たな事業やプロジェクトを立ち上げて需要に応じて規模拡大を考えている中小企業に人気です。
初期費用:100,000円
月額料金:39,800円~
主な機能:名刺のデータ化、メール配信、アクセス解析など
提供会社:株式会社Innovation & Co.
6.SATORI
SATORI(サトリ)は、見込み客の獲得に必要な機能が充実しているMAツールです。例えば、設定した条件に当てはまるユーザーにメールを配信したり、自社サイトの特定のページを閲覧したユーザーに資料請求ページへの訪問を促すポップアップを表示したり、自社サイトに1度訪れたけれども離脱してしまったユーザーにリターゲティング広告を表示して再訪を促したりできます。これらの機能で得たユーザーデータを分析することで数多くの見込み客を獲得することができます。またSATORIは国産のMAツールのため、インターフェースが日本語でシンプルに構成されていたり、日本人のスタッフがツールの使い方や設定方法をサポートしてくれたりするので、MA運用経験の少ない人でも安心して利用できます。
初期費用:300,000円~
月額料金:148,000円~
主な機能:リード管理、ユーザーの興味や確度、成功パターンの分析、メール配信、ディスプレイ広告、ウェブバナーやポップアップ表示など
提供会社:SATORI株式会社
7.Kairos3
Kairos3(カイロス)は、見込み度の高いお客さまを抽出し、商談につなげるためのMAツールです。Kairos3には名刺の一元管理があるので、過去の展示会で名刺を受け取りながら十分にフォローが出来ていなかった顧客にメルマガを配信できます。また、Webサイトを訪問したユーザーの行動履歴がわかるので、訪問したWebページや開封したメールから行動を分析し、ユーザーに合わせたトークスクリプトを用意して電話でアプローチするなどして営業活動に活かせます。
初期費用:10,000円
月額料金:15,000円~
主な機能:フォーム作成、Webログ解析、メール配信、顧客管理など
提供会社:カイロスマーケティング株式会社
8.Oracle Eloqua
Oracle Eloqua(オラクル・エクロア)は、世界でもデータベースのソフトウェアで有名なOracle社が提供する、SaaSタイプのMAツールです。さまざまなデータを統合しセグメントごとに抽出、リード情報のスコア化、データにアクセスする権限を詳細に設定できます。データ分析は、マーケティング活動にとって重要な手段の一つ。Oracle Eloqua(オラクル・エクロア)は、大量のデータ処理やきめ細やかな権限管理を必要とする企業適しています。
初期費用:0円
月額料金:15,000円~
主な機能:リード管理、ランディングページ作成、フォーム作成、メール配信、コンテンツ分析、シナリオ設計など
提供会社:Oracle Corporation
9.B-dash
B-dash(ビー・ダッシュ)は、社内に分散しているデータを統合することで、マーケティングや営業の業務に活かすためのツールです。データマーケティングを訴求するのに必要な機能が揃っており、CDP(顧客データプラットフォーム)MAやBI(ビジネスインテリジェンス)、Web接客、アプリPUSHなど、16種類の機能の中から選んで利用できます。BIツールには、業界初のデータ統合テクノロジー『Data Palette』を採用されており、データの連携や取込、加工、統合、抽出がB-dash1つで実現できます。
初期費用:要問い合わせ
月額料金:50,000円~
主な機能:顧客管理、メール配信、SNS連携、広告連携機能、レコメンド、プッシュ通知
提供会社:株式会社フロムスクラッチ
10.SHANON MARKETING
SHANON MARKETING(シャノン・マーケティング)は、展示会やイベントを開催するにあたり、スタッフが対応する業務を統合管理できるMAツールです。例えば、セミナーやイベントでの来場履歴、名刺交換履歴、通話履歴など別々にまとめていた個人情報を一元管理し、統合されたデータから確度の高いリードを選定してアプローチできます。また、Webサイトのランディングページやフォームを自動で簡単に作成できるので、マーケティング施策を柔軟に行えます。SHANON MARKETINGの料金プランは非公開となっているため、詳細を知るためには問い合わせが必要となります。
初期費用:要問合せ
月額料金:要問合せ
主な機能:リード管理、ランディングページ作成、フォーム作成、セミナー・イベント管理、ソーシャルマーケティング、キャンペーンマネジメント、Webトラッキングなど
提供会社:株式会社シャノン
※参照元:教えてURL 調査レポート マーケティング・オートメーション (2021年5月~2022年4月)
ユーザーが Google Chrome で閲覧しているページから、利用されているウェブサービスがわかる拡張機能「教えてURL」の調査レポートを基に集計した結果です。2021年5月~2022年4月の1年間にマーケティング・オートメーションで検出された数の合計が多い順に10社ご紹介しました。
MAツール導入前にしておくべき4つのこと
人気のMAツールを導入しても、期待した通りの効果が出るとは限りません。MAツールの効果を最大限に引き出すには、事前の準備が重要です。ここでは、MAツール導入前に行っておくと導入がスムーズになる4つのポイントをご紹介します。
導入目的の明確化
MAツールの導入にあたり、自社が行っているマーケティング活動にどのような課題があるのか、MAツールで得たデータを使って何をしたいのか明確にしておきましょう。例えば、「リード数が多すぎて顧客ごとに最適なアプローチができていない」「既存顧客を優良顧客に育てるにはどのようなコミュニケーションをとったらいのか」などです。それらを改善することが導入目的となり、ツールに求める機能も明確になります。
見込み客の情報整理
MAツールを導入したら過去に獲得した顧客情報の登録が必要になります。展示会やWeb広告、Webサイトなどの顧客情報を別々に管理しているなら、導入前に集めて、整理しておきましょう。名刺や申込書など紙で管理していたものはデータ化する必要があります。
カスタマージャーニーマップの作成
カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知り、どのような体験から購買に至ったかを図式化したものです。カスタマージャーニーマップを作成することで、MAツールのシナリオ設計に必要な要素を洗い出すことができます。カスタマージャーニーマップの作り方はこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
人的リソースの確保
MAツールの導入前の準備や導入後の運用、効果測定ではさまざまな作業が発生します。それらを行えるだけの十分な人的リソースを確保しておかないと、MAツールを使いこなすことができず、成果を上げられない可能性があります。戦略の立案、メール配信やスコアリングの設定、効果測定など人が行わなければならない部分を確認して、人的リソースを確保しておきましょう。
まとめ
MAツールの選定では、導入や運用のコスト、他社との機能の違いを気にしがちです。しかし、ツールを使ってそのようなどのような目的が達成したいのか、自社のリソースに合っているのかがもっとも重要になります。導入目的の明確化や自社のリソースの把握をしてMAツールを最大限に活用しましょう。
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